あのことわたし

21年一緒に過ごした猫とのお別れの記録

あのこがいない年がはじまった

あのこがいない年がはじまってしまった。21年ぶりになる。

 

あのこの写真を見ながら年が明けたよと寒いよと語りかけながらもこれからもよろしくね、とはいえないことが辛かった。毎年毎年一番最初に新年のあいさつをしたのはあのこだった。去年はありがとう。今年もよろしくね。そう言いながら頭をやさしく撫でるとにゃーとこたえてくれていた。今年からはあのこの写真に向かって言うことになる。撫でることもできないし声を聞くこともできない。そして言えない言葉もある。

 

猫の魂はどこにいくのか、そもそも魂というものはあるのか、輪廻転生というものはあるのか。それはどれだけ考えてもわからない。魂というものがあって、輪廻がないならあたたかいところでゆっくりとしていてくれるといいと思う。もし輪廻転生があるのならどんな体の中に入っていたとしてもやさしくあたたかい生を歩んでくれればいいと思う。とにかく幸せであってほしい。

 

あのこのことを想う時間は長く、未だに寂しくて泣くことも多い。でもあたたかくやさしい時間をありがとう、今幸せであれと必ず思う。あまり寂しい辛いと言ってはいけないかもしれない。けれどそれは本当の気持ちであって嘘をつくことはできない。どうしても寂しいし辛い。でも感謝の気持ちとあのこの幸せを願う気持ちも本当のことだ。

 

2016年はあのこがわたしの世界からいなくなってしまった。だけど心の中のあのこのしっとりとした心地よい重みは変わらないままだ。もし待っていてくれるなら待っていてほしい。見ていてくれるなら見ていてほしい。でもなにより大事なのはあのこの幸せなのだ。

 

2017年はきっと今までと全く違う年になる。あのこが、そしてあのこたちがいてくれたおかげで今のわたしがある。それをいろんな人に伝えられる人生にしていきたい。